疑問 トヨタコレオグラフィーアワード2006

June 10, 2006

疑問 トヨタコレオグラフィーアワード2006 [ dance ]

トヨタコレオグラフィーアワード2006ネクステージの出場者(ファイナリスト)が発表になった。
今回、出場者を選考した選考委員の方々には、大橋可也&ダンサーズもお世話になってきたし、彼らのこれまでのダンス界での尽力については尊敬の念を抱いている。しかしながら、今回の選考結果については、大きな疑問を抱かざるを得ないのだ。
このようなコンペティションにおいて、賞を与える、出場者を選考する、などの行為の意味は、アーティストと社会との関係性を操作する、ということである。その意味を選考委員はどれほど考えているのだろうか。
出場者に選ばれた、山賀ざくろ、正直なところ、僕は彼の作品に共感するところは無い。しかし、地方で地道に活動を続けている、その姿勢は高く評価されるべきだと思う。作家自身の真意は推し量る他ないが、彼のあるべき姿は、地元、群馬で毎週か毎月か、決まった場所、20-30名ぐらいのキャパシティが良い、で上演を続けることができ、それに一定の観客がついてくることだろう。そのような環境をつくるための支援をすること、こそが彼を評価することであって、パブリックシアターで上演することや、作品の制作費として200万円を貰うことではないと思う。
あるいは、白井剛、彼は才能ある作家なのだろう、多分。しかし、彼は既にパブリックシアターの主催公演に出演し、複数の団体から多額の助成金をもらっている作家である。彼がトヨタコレオグラフィーアワードで賞を受賞したとして、その状況に何か変化があるというのだろうか。助成金の額が増える、その必要がある、とでも言うのだろうか。
結局のところ、今回の選考基準は、面白い、面白くない、でしかないのだろう。
コンテンポラリーダンス、このアワードは特にコンテンポラリーダンスを謳っていないが、を広く紹介するためには、その選考基準も有効であったろう。
しかしながら、アワードの設立から5年を越す今とはなっては、そのような選考基準に基づくアワードは、ダンス全体にとって、もはや害でしかない。早く止めたほうがよい。

posted by Kakuya Ohashi at 2006/06/10 16:29:42 | TrackBack
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