前衛の系譜
September 21, 2006
前衛の系譜 [ dance ]
イタリア滞在中の嬉しい出来事の一つに、ボローニャ、Danza Urbanaフェスティバルでの國吉和子氏による講演があった。ちなみに、内野儀、桜井圭介の両氏も同フェスティバルに帯同し、講演をおこなっている。
國吉氏の講演は、日本の戦前から戦後にかけての現代舞踊の歴史を俯瞰するものだったが、単に歴史的な人物、出来事をなぞるのではなく、その時代における前衛の在り方、その精神を紹介していたと思う。
戦前では、村山知義の活動、戦後では、具体美術協会、そして土方巽を中心に紹介していた。
僕の活動は、もちろん方法論としては和栗由紀夫氏に教えを受けた舞踏に影響を受けているのは確かだが、特定の舞踊、ダンスの表現形式の延長線上にあるものだとは思っていないし、何かを受け継ごうという意思も持ち合わせていない。しかしながら、今という時代において前衛でありたいと思う気持ちは常にある。その点において、僕の活動は日本の前衛の系譜につらなるものであり、そうありたいと願う。