イタリアツアー記録

October 2, 2006

イタリアツアー記録 [ memo ]

もうイタリアから帰ってきて2週間もたってしまった。
旅行したときの記録なんてものは書いたことがないのだが、最近、年をとったせいか物忘れがひどく、今回の旅の記憶も無くなってしまうのか、と思うと残念なので、たらたらと書き留めておく。
※アーティストについては敬称略

1日目(9/3)
東京からローマ、そしてボローニャ
ダンサーズのミウミウ、皆木、そして東野祥子(Baby-Q)と僕の4名で出国、ローマのテルミニ駅までは順調に到着。
しかしここからが長かった。ボローニャ行きの切符を買って一安心、というのも束の間、発車駅がテルミニではなく、地下鉄に乗って数駅の何とかっていう駅であることが発覚。さっそく地下鉄に乗って、その駅まで行くも間一髪間に合わず。皆木が色々聞いてくれて次の列車に乗るため別にホームに走るも、これも間に合わず!ローマは駅構内を走りまくった記憶しかありません。結局、予定より2時間ぐらい遅れの列車に乗るが、これが席がなくて通路の補助席みたいなのに小さくなって座る。誰かが通るたびに更に小さくなる。そういう近年にないつらい思いをしながらボローニャに到着したのは午前3時半過ぎ。迎えに来てくれたアデーレ、石黒さん、すいませんでした。そんな時間にも関わらず、みな腹が減ったらしく、宿泊するアパートメントから20分ぐらい歩いたところでビールとパニーニで夜食。ゲイのお兄さんと歓談する。寝たのは5時ぐらい?
出だしから大きくつまづいた感じですが、僕自身は成り行きに流されるのは嫌いではないので、それなりにアクシデントを楽しみました。ちなみに、皆木はフランス滞在歴が長く、フランス語が話せる、そしてイタリア人も英語よりフランス語が得意、よって道中、通訳として活躍することになる。

2日目(9/4)
ボローニャ
宿泊先のアパートメントは広々してクラシックな雰囲気が良い。稽古のために借りているスタジオに行く。ここで今回ツアーを共にする他のアーティストとご対面。昼食はスタジオで。ただし、ここはボローニャのエコの人が集まるところみたい(ヨガと柔道をやっている)で、食事はベジタリアンフード。もの足りない。稽古ではいつもやっているアシュタンガヨガをやるが、ダンサー2人ともボロボロ。当たり前か。夕食は居酒屋みたいなところで名物らしいボロネーゼ、ミートソースそのものですね。批評家の3名も遅れて合流。アパートメントでは石黒さんも交えて飲む。すっかりダンス談義で盛り上がる。ダンサーズではついつい僕が語ってしまうので、あまりこんなことはない。またもや夜中まで。
昼には最初の公演場所のドミニコ教会にも行ったが、少し奥まったところで地味だが雰囲気は良く、安心する。

3日目(9/5)
ボローニャ
最初の本番の日。始まる前に國吉和子さんの講演を聞き、やる気も出る。これについては別のエントリに書いた。作品は振り自体は既に出来上がったものだが、単独で上演するのは初めて。作品の最初の掴みが弱いと思ったので、絶叫を入れるようにした。僕は音響を担当。これ以降もずっと音響、照明があるところは照明もやることになる。曲は舩橋君が完パケで作ってくれたものがあるので、カットインしてからはフェーダーを上げ続け、カットアウトするだけ。ミウミウと皆木は日本よりヨーロッパの街が良く似合っている。今回の白い衣裳も石の壁にぴったりだと思う。2人を連れてきて良かった。フェスティバルディレクターのマッシモが300人ぐらい来るとか言っていたが、どうせホラだろうと思っていたところ、実際にそれぐらい来ていてびっくり。観客は集中して見てくれた。上演自体も成功したと思う。怪我もなく終了し、ほっとする。終わった後、脇川海里の上演を見に行く。その会場は僕らの場所とは異なり、通行量の多いところ、観客も更に多かった。この後、別のパフォーマンスもあったのだが、さすがに疲れてきたので、見るのは断念する。初めてまともなリストランテに行ってシーフードを食べる。イタリアは外食はどこに行っても高くつくので、ちゃんとしたところで食べたほうが良い。日本でも同じか。ここは美味かった。メニューも英語が併記されていたし。アパートメントへの帰り道を少し変えてみたところ、道端に沢山の若者と若者ではない人たちがたもろっている。ここはボローニャのサブカル系メインストリートだろうか。でかい音が鳴っている店があるので、クラブだろうと思って覗いてみると、バーだった。すると、バーの中には日本人女性(カオリさん)が。少し話を聞くと、まだバカンスが終わったばかりで、若者たちが街に戻ってきていないそう。クラブなんかもまだオープンしていないらしい。店の前の路上には人があふれかえっていて、このバーの近辺で飲み、語るのが、ボローニャのサブカルのトレンドのようだ。客とも話をしたが、その店のオーナーはカリスマとして知られる人なんだそうだ。同じような店は何件かあるが、店によって集まる人の傾向も変わるようで、ビュジュアル系っぽいところも。帰宅してからもさらに飲む。でっかいモツェレラなんかも買っていたのだが、ほとんど手付かずのまま残る。

4日目(9/6)
ボローニャ
この日は本番はなし。スーパーで買い物をし、アパートメントで前夜のつまみを食材に昼食。稽古もお休み。他の人たち、北村成美、森下真樹、東野祥子の上演を見る。といっても森下真樹のは非常に狭いところでやっていたので、ほとんど見られず。見終わった後、今回のツアーの最後の会場となるイグレシアスでテクニカル(主に照明)を担当するルカと話をする。彼はすごく意欲はあるが、どこまで伝わっているか少し不安。この不安は後ほど解けるのだが。北村成美、東野祥子の作品は見ていて思うところもあったので、夕食のときに本人にあれやこれや言う。言わずとも問題はアーティスト自身が分かっていることだったが。アーティスト同士のコミュニケーションが不足している、というかお互いなぜここにいるのか分かっていない、と感じたので、次の日にスタジオでミーティングすることを提案。この日はカメラマンとして参加の上田さんがアパートメントの客人。当然のように夜中まで。

5日目(9/7)
ボローニャ
スタジオのミーティングではこのツアーに参加することになった経緯、ツアーに望むにあたって考えていることなどを、それぞれのアーティストが話した。これを機にお互いの作品、作家性について理解をしていきたいと思う。この日は大きな広場で全員が続けて上演する。順番はあらかじめ決められていたが、全部まとめて1つの公演として完成するよう、立ち位置とか出はけとかを皆で話して決める。僕らは2番目、ミウミウが寝るためのテーブルを用意してもらう。ちなみに、初回の講演では階段があったので、そこに寝てからはじめた。この日、用意してもらったのはデスクでした。引き出し付きで重いし。イタリアには普通の長机っていうのが無いみたいで、以後も微妙な感じの机であった。広い場所ということもあって、冒頭にノイズを加えた。ネタは吉祥寺シアターで上演したものと同じだが、持って来ていて良かった。CDを用意してくれた舩橋君に感謝。上演全てが終わった後は、フォーラムっていうことで、みんな参加。僕もTシャツでなくて、アルマーニのシャツを着る。それぞれの紹介があるのかと思ったら、イタリア側のアーティストの紹介に終始した。フォーラムの趣旨がよく分かってなくて残念。僕たち側の問題でもあるが。さらにその後は、パーティ、寿司もあったがまずい。カオリさんやバーの客連中もやってきて、歓談する。あまり腹にたまるものがなかったので、食べなおそうと前々日に行ったリストランテに行くが、既に店仕舞い。結局、バーでビールだけ飲む。

ボローニャは思っていたより、ずっと暑く、日中は熱中症みたいな感じになっていた。しかし、立場上、弱みは見せないよう振舞う。おまけに緊張からか動悸が激しく眠りが浅い、下痢も続く、という状態。かなりダメな人です。
猫がいない。いつもは街角の猫ウォッチングが楽しみなのだが。唯一、アパートメントのバルコニーから階上から下を覗いていた猫を発見しただけ。猫は外に出すものではないのだね。猫が見られないのは残念だが、野良猫がいない、というのも良いこと。
明日からいよいよイタリア地方巡業の旅。

italy_001_bologna.jpgボローニャ名物のボロネーゼです。
italy_002_bologna.jpgボローニャの夜です。

6日目(9/8)
ボローニャからトレビッソ
車で移動。しかし、道が分からず右往左往。おまけに通行者を轢きそうに!果たして無事着けるのだろうか。予定より2時間ぐらい遅れて到着。トレビッソはきれいな街だ。何となくベネチィアっぽい、行ったこと無いけど。裕福な人たちが保養地として使うところらしい。なので、品が良い(ような気がする)。ディレクターのロベルトもかっこいい。僕たちがやるところは屋外だが屋根のあるところ。サウンドシステムが充実。上演も楽しめた。夕食はフェルナンドの店に。フェルナンドは地元では相当有名人らしく、自分の似顔絵やら写真やらをいっぱい見せてくれる。風貌は、イタリアの種馬ことロッキー・バルボアが3倍ぐらい横に広がって、髭と眼鏡を付けた感じ。味も上等。それぞれの皿にとうもろこしから作ったらしい、とろろみたいなのが付いている。トレビッソ名物だそう。良い店だが、3回行ったらフェルナンドの話も飽きるな。白ワインが少し炭酸が入っていて美味。この日はおとなしく寝たのだったのだろうか?

italy_003_treviso.jpgトレビッソはきれいな街です。
italy_004_treviso.jpgトレビッソのイカ墨です。付け合せの白いのがトレビッソ名物です。

7日目(9/9)
トレビッソからラベンナ
この日は早めに出発。なのに到着は1時間遅れ。なぜだろう?遅れてきたのにも関わらず、昼食はワインもありで、しっかり食べる。食事第一なのはどこでも同じ。ラベンナには日本人の方、日本語が達者な方もいて、しっかり日本語でスタッフともやり取りできました。ここのディレクターはいっけん普通のおばさんですが、実はいろいろたくらんでいて僕らのパフォーマンスにも登場の仕方とか演出が加えられています。僕らは港の埠頭の一番先で上演。背後にはほぼ満月の月と釣り人が。こんなところでやることは二度とないかも。サウンドシステムがでっかいカーステレオみたい(自作らしい)だったので、もの足りなかったのが残念。宿泊は少し離れたところのホテル。皆木と僕の部屋で、いつものメンバー(最初の4人+上田さん)で飲む。

italy_005_ravenna.jpgラベンナの埠頭です。ここでパフォーマンスをしました。
italy_006_ravenna.jpgラベンナのサウンドシステムです。中に見えるのは石黒曜子さんです。

8日目(9/10)
ラベンナからペサロ
ラベンナのホテルの女主人が日本人を気に入っていて記念撮影。ペサロまでは順調に到着、ホテルはわりと豪華な感じでした。この日は本番は無く、会場下見のみ。ここでは1回野外、1回劇場と聞いていたが、野外とギャラリーで、ギャラリーもしかもかなり大きく劇場的である。ドアはオープンでやるらしいが、ほんとの野外というのは前日で終わりだったのね、と少し残念になる。なお、この後の、カリアリは劇場、イグレシアスは野外ステージだ。劇場の方は少し大きなSTスポット。事前にオーダーしていたストロボが吊ってある。しかもかなりいいストロボのようだ。照明のフォーカスをやって、この日の作業は終わる。夜のビーチへ皆で繰り出し、出店でお土産を買う。ペサロでも毎日飲んでたと思うが、このあたりに来るともはや記憶が曖昧である。

9日目(9/11)
ペサロ
ペサロでの本番初日。昼食はホテルでしっかり食べ、14時から小屋入りして明かり作り。照明卓の操作も難しくないし、自分たちで当たりも変えられたので好きなように出来た。いったん、ギャラリー公演組の本番を見に行き、劇場に戻る。この日の劇場での本番は森下真樹と僕たち。森下真樹のも僕が照明オペをやるが、初めて見る作品だったので、思うように出来ず、少しフラストレーション。自分たちのはストロボも使い、思い切り出来た。僕はオペの方に集中していて踊りはあまり覚えていない。終わった後は、リストランテで食事。この日も飲んだっけ?

10日目(9/12)
ペサロ
午前中はビーチでフォトセッション。なかなかいい写真が撮れたと思う。上田さん、ありがとう。この日はギャラリーでの上演。ギャラリーでは照明はない(常設と外光)ので、僕のやることはサウンドチェックとダンサーの立ち位置を決めることぐらい。まずダンサーの立ち位置を決める。今回は客席側からスタートする前後逆転バージョンとした。2人には練習しておくよう、申し渡し、劇場に入る。劇場では3組、北村成美、東野祥子、脇川海里の照明をやることになっているので、そっちの方に意識を集中。結局、脇川海里についてはやらなかったのだが。東野祥子は今回の上演を何度も見ていたし、踊り、音ともに即興性が強いものなので、楽しめてやれた。ストロボは使い過ぎだったかも。北村成美の作品は、しっかり練り込まれている。振りは前日の上演で見ていたが、まだ決めたことをこなすだけで精一杯。次回はもっと上手く出来ると思う。この日もリストランテで食事。

明日からはサルディーニャ島。美しいところと聞かされ続けてきたので期待は高まる。
皆木は壁にぶち当たって腕が腫れ上がっていた。振りを考え直すときか。

とここまで書いたが、思い出す気力が尽きたので、とりあえず後は記録だけ。

11日目(9/13)
ペサロからローマ、カリアリ

12日目(9/14)
カリアリ
古いプロセミアムの劇場で本番。森下真樹、東野祥子、北村成美、大橋可也&ダンサーズの順で、全部の照明をやる。なかなか楽しい。振りを変えたところも成功したと思う。

italy_007_cagliali.jpgサルディーニャ島カリアリ、坂の街です。
italy_008_cagliali.jpgカリアリでの上演場所となった劇場です。
italy_009_cagliali.jpgカリアリの猫です。
italy_010_cagliali.jpgカリアリのレストランです。洞窟みたいになっています。

13日目(9/15)
カリアリからイグレシアス
野外ステージで僕たちとしては最後の本番。

italy_011_cagliali.jpgカリアリからイグレシアスに向かう列車です。
italy_012_iglesias.jpgイグレシアスの街並みです。
italy_013_iglesias.jpgイグレシアスでの上演場所となった教会前のステージです。

14日目(9/16)
イグレシアス
午前中は皆でバスに乗り、海岸へ。ところが、海岸へ向かい歩いている途中で雨に襲われ、ずぶ濡れになる。結局、海岸へは到着できなかった。
夜は今回の日本組の最後の公演(東野祥子)の照明をやる。雨のため(この季節としてはすごく珍しいらしい)屋外でやるかどうか揉めた挙句、屋外で決行したが、途中、降雨のため中断に。

italy_014_iglesias.jpgイグレシアスの猫です。
italy_015_iglesias.jpgサルディーニャの海岸の猫です。
italy_016_iglesias.jpgサルディーニャの海岸です。海の上は雨が降っています。
italy_017_iglesias.jpgイグレシアスの結婚式です。

15日目(9/17)
イグレシアスからカリアリ、ローマ、そして東京
今回の移動は問題なく。

posted by Kakuya Ohashi at 2006/10/02 22:15:18 | TrackBack
This is a site of Hardcoredance created by Kakuya Ohashi and Dancers
since:2003/04/07 modified:2011/04/24
info@dancehardcore.com