就職氷河期
October 13, 2007
就職氷河期 [ chain , dance ]
「明晰の鎖」のための覚え書き。
僕はバブル世代ど真ん中であり、まともに就職はしなくて最初に就職した会社も1年で辞めてしまったけれど、再就職してからは、たいへんなこともあったが何とか充実した職を続けていけていると思う。それは主に自分の努力によると思っていた。もちろん、タイミングに恵まれていたのも事実なのだが。
だから、就職に関する問題、フリーター、ニートたちにしても、それは彼ら自身の問題なのだと思って、ほとんど関心がなかったといってよい。しかし、明らかな事実として就職氷河期と呼ばれる時期があり、その時期に就職しようとした人たちの問題は今後の日本にとって大きな社会問題なのだ、ということにようやく最近気がついた。実際は僕自身もこの時期に再就職をしているので、無関係ではなかったのだが、そのことは措くとする。
彼らが本来技能を身に着けるべき時期に、その機会を逸してしまったこと、それは今の日本ではある程度の年齢に達した人が技能を身に着ける機会を持つことが困難であることを考えれば、これから何十年にも渡ってぽっかりと技術、技能を持たない世代が存在し続けることになるのだろうか。日本は技術立国ではなかったか。そのこと自体が幻想なのかも知れないが。
ここは就職氷河期について議論すべき場所ではない。では、どうしてそんなことを書いているかというと、僕たち、氷河期世代に先立つ世代のものが何をすべきか、考えなくてはいけないと思うからである。
僕自身はアーティストだから、作品によって、作品を作る姿勢によって、あらゆる問題に取り組んでいく。この問題についても同じことだ。
現行ダンサーズの平均年齢は29.8才、氷河期世代ど真ん中だ。彼らに関心を持とうとしたこと、それが今の僕の問題意識につながっている。関心を持つこと、何より大事なこと。