芸術家個人とはいったい誰か

October 26, 2007

芸術家個人とはいったい誰か [ dance ]

大橋可也&ダンサーズは2007年よりセゾン文化財団より「芸術創造活動」のプログラムにて年間300万円の助成を受けている。それ自体は僕たちにとって、もちろんあなたたちにとってもね、よいことであるのは間違いない。
そのことは措くとして、来年度からセゾン文化財団の助成方針が変更になり、芸術団体に対しての支援から、芸術家個人に対しての支援に変更になったので、そのことに関連したことを書くとしよう。
プログラムガイドライン 芸術家への直接支援

今の日本では、ダンス、演劇だってそうだろう、振付家、演出家、劇作家、肩書きは何でもいい、そんな連中が中心となったプロデュース、ユニット形式の活動が中心となっていて、団体を維持して活動していくケースは減るいっぽうであると言っていいだろう。団体といっても助成金をもらうための名ばかりのものもあるよね。件のセゾン文化財団から助成金を受けている団体の中にも。
そういう現状を鑑みれば、個人を対象にした支援にシフトすることは間違ってはいないだろう。果たしてそうだろうか。

よくよく考えてみなくてはいけない。芸術家個人とは誰か、ということを。その個人が存在するとして彼、あるいは彼女の活動に助成金というものが必要なのだろうか。いや、必要ではない。
芸術家とは活動の経済的な規模に関わらず、芸術家なのであって、経済的な規模が小さければそれに見合った活動をするのだ。その活動を維持するために助成が必要な芸術家など存在してはいけない。そうだよ、金なんていらないのさ、芸術家にはね。
ならば。芸術団体とは何か。芸術が社会に存在するための基盤を構築するための拠点となるものである。そこにはダンサー、役者、スタッフたちが集い、それ自体が社会の一部を形成するものなのだから。そして、彼らを通じて社会全体と関わりを持とうとするものだから。
その基盤を維持、発展させていくためには経済的な支援が、助成が必要なのだ。その基盤が社会に根付くまでは。そうは思わないかい。

セゾン文化財団には再来年度から助成方針を再考していただきたい。もちろんこの意見を直接伝える機会を持つことにする。

posted by Kakuya Ohashi at 2007/10/26 0:53:39 | TrackBack
This is a site of Hardcoredance created by Kakuya Ohashi and Dancers
since:2003/04/07 modified:2011/04/24
info@dancehardcore.com