見ることの意思

December 22, 2007

見ることの意思 [ chain , dance ]

「明晰の鎖」公演で導入したチケット料金システムについて、fringeのトピックにて取り上げられました。取り上げていただきありがとうございます。
この機会に、僕たちの公演に料金を支払っていただくということについて、僕たちの考えを補足します。

芸術に支払うお金、僕たちの場合であれば公演の入場料金、というものは何かの対価に対して支払われるものではないと考えます。
それは、支払う側、僕たちの場合は観客と呼ばれる人々、の意思表示なのではないでしょうか。

観客の意思というものは千差万別だと思います。しかしながら、今回のチケット料金を設定するに当たっては、その意思を「作品に対して貢献すること」「作品を体験すること」「作品を必要とすること」と表すことで各料金との対応付けをおこなっています。それぞれは異なるレベルにあるものですし、独立しているものでもありません。また、観客の方々が、必ずしも僕たちが想定する意思を持って料金を支払っていただく必要もないと思います。
確固たる意思を持って僕たちの作品を見てほしい、いえ参加してほしい、そう僕たちは望みます。舞台芸術の作品は、観客が見ることによって初めて成立するものですから。
その意思を喚起させること、と同時に入場料金を支払うという経済行為の意味づけを問うこと、それが今回のチケット料金システムに込められた意図なのです。

posted by Kakuya Ohashi at 2007/12/22 8:51:52 | TrackBack
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