「深淵の明晰」京都公演当日パンフレット原稿
September 26, 2009
「深淵の明晰」京都公演当日パンフレット原稿 [ abyss , dance ]
「深淵の明晰」東京公演で配布している当日パンフレットには、大橋可也の文章は載せていませんが、東京公演に先立っておこなわれた京都公演の当日パンフレットに掲載した文章を公開します。
希望に満ちた若き日を過ごした全共闘世代は、結局のところ日本を変えることはなく、後続の世代に支えられた年金を得て、豊かな老後を過ごすことだろう。希望のない日々を過ごす若者たちは、「ナンバーワンよりオンリーワン」という価値観に飼い馴らされ、現状を変えようとしないまま生きていくことだろう。
いかに新しい政権が「友愛」を説いたとしても、小泉・竹中改革にこの国の現状の責任を押し付けたとしても、グローバリゼーションの荒波は絶えることなく、僕たちの足元まで押し寄せ続ける。僕たちにできることは、その波に抗することではなく、流されてしまうことだ。流された果てに打ち上げられたどこかの海岸で、光り輝く原石を見つけることが、それは携帯電話の残骸かも知れないけれども、たぶん一つの冴えたやり方ではないだろうか。