きっかけ

January 19, 2007

きっかけ [ dance ]

舞台作品には「きっかけ」というものは付き物だ。なのに、僕の作品では、ほとんどきっかけがない。
きっかけがはっきりあるのは、音出しぐらい。曲で尺を決めている場合があるので、音出しのタイミングが狂うと尺が狂ってしまうこともあるからだが、それも作品による。照明は基本的になんとなくだ。
1つの理由としては、僕が嫌いだからである。間違えることを考えると緊張するじゃないですか。同様の理由で「板付き」も嫌いで、やらない。
もっともらしい別の理由は、きっかけを持つことで各々の要素、ダンサー同士、音楽、照明など、が相互依存の関係を持ってしまうことを避けたい、ということがある。依存の度合いが増すにつれ、そのための稽古やテクリハが必要になり、本来の振りの稽古に時間が割けない。作品構成上から見ても、舞台上における各々の存在を狭い世界に閉じ込めたくないのだ。
もちろん、きっかけがないことによって、考慮しなければならないこと、稽古しなければならないことも増えるのだけど。

posted by Kakuya Ohashi at 2007/01/19 21:44:00 | TrackBack
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