クラウデッド
「水の中の月」
「鏡の中におぼろげに」
「アバンダン」「移住者」
大橋可也&ダンサーズが、2013年から進めている、江東区でリサーチに基づいたパフォーマンスをつくるプロジェクト「ザ・ワールド」。モチーフは土地の記憶を吸う吸血鬼。「シーズン2」公演としておこなわれた「クラウデッド」は清澄白河SNACを出発地点として、東陽町の江東区文化センターに至る道中の複数個所にてパフォーマンスがおこなわれた散歩型公演。
劇場型公演「ヘヴィメタル」
「ザ・ワールドからの声」
1. 水の中の月
出演:皆木正純、後藤海春
会場:SNAC
2. 鏡の中におぼろげに
出演:山本晴歌、伊藤雅子
会場:一五屋靴店
3. アラキスのバラ
出演:秋本ふせん、小松杏里、崎本実弥
会場:スナックファジィ
4. もっと近くに
出演:益田仲子、伊藤陽太郎
会場:Cafe La Vue Blanche
5. リ・インカーネーション
出演:阿部遥、梅内はるか
会場:ダウンタウンレコード
6. アバンダン
出演:横山八枝子、安藤暁子、有泉汐織、古茂田梨乃、塩田将也
会場:江東区文化センター展示室
7. 移住者
出演:皆木正純、阿部遥、山本晴歌、益田仲子、秋本ふせん、伊藤雅子、後藤海春、横山八枝子、小松杏里、崎本実弥、安藤暁子、有泉汐織、伊藤陽太郎、梅内はるか、古茂田梨乃、塩田将也
会場:江東区文化センター展示室
上演日:2015/3/20-22
上演時間:140分
振付・構成・演出:大橋可也
ドラマトゥルク:長島確
リサーチャー:加藤雄大、小林あずさ、坂上翔子、涌井智仁
ドラマトゥルク補:メル
音楽:涌井智仁
映像:吉開菜央
衣装:ROCCA WORKS
照明:筆谷亮也
舞台監督:原口佳子(モリブデン)、小野哲史
会場スタッフ:大川原脩平、玉井勝教、古郡稔、川瀬雅、唐鎌将仁、檀上真帆、後藤ゆう、前田尚子
写真:GO
ドキュメントデザイン:石塚俊
フライヤーデザイン:agasuke
制作:坂上翔子、小林あずさ
制作協力:麻生琴、平岡あみ、柴田温比古、及位友美(voids)
撮影協力:そら庵
会場協力:深川資料館通り商店街
主催:一般社団法人大橋可也&ダンサーズ
助成:芸術文化振興基金、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
認定:公益社団法人企業メセナ協議会
協力:公益財団法人セゾン文化財団
ザ・ワールド カフェコラボ協力店:
sunday zoo
mamma cafe 151A
EARTH+ cafe & bar
[プロフィール]
大橋可也&ダンサーズ(おおはしかくやあんどだんさーず)
1999年結成。ハードコアダンスを提唱、暗黒舞踏の方法論を基に現代社会における身体の在りかたを追究しているダンスカンパニー。2008年に発表した『帝国、エアリアル』では関連するフリーペーパーを制作、配布するなど、ダンスの枠組みにとどまらない活動をおこなっている。2013年、写真家GO 撮影による初の写真集「Books, Phantoms」を発売、日本SF界を代表する作家、飛浩隆による長編小説『グラン・ヴァカンス』をダンス作品化、発表した。2014年、「利賀演劇人コンクール2014」にて奨励賞を受賞。
大橋可也(おおはしかくや)
一般社団法人大橋可也&ダンサーズ代表理事・芸術監督。1967年、山口県宇部市生れ。1993~1997年、和栗由紀夫に舞踏を師事。1995年より独自の活動を始め、1999年より振付作品の発表をおこなう。2013年、「第44 回舞踊批評家協会賞新人賞」を受賞。Java/.NET/GeneXusなどの技術領域を中心にITのエンジニアとしても活動している。
長島確(ながしまかく)
日本におけるドラマトゥルクの草分けとして、コンセプトの立案から上演テキストの編集・構成まで、身体や声とともにあることばを幅広く扱う。ベケットやサラ・ケイン、ヨン・フォッセらの戯曲の翻訳のほか、さまざまな演出家や劇団の作品に参加。また『墨田区/豊島区/三宅島/淡路島在住アトレウス家』『長島確のつくりかた研究所』等のアートプロジェクトも手がける。ミクストメディア・プロダクト/中野成樹+フランケンズ所属。
加藤雄大(かとうゆうだい)
1990年、東京都生まれ。立教大学映像身体学科卒。大学では主に劇映画の制作について学ぶ。昨年に続きリサーチャーとして『ザ・ワールド(A)(B)』に参加。4月からは映像制作会社に勤務しつつリサーチャーと二足のわらじ。
小林あずさ(こばやしあずさ)
1989年生まれ。新潟市育ち。武蔵野美術大学芸術文化学科卒。東京藝術大学大学院でアートマネジメントを専攻。アートプロジェクトや舞台芸術のコーディネーターや制作として活動。趣味は料理と散歩と民藝品の器を蒐集すること。
坂上翔子(さかうえしょうこ)
1988年、新潟生まれ。日本大学理工学部建築学科卒。2013年よりリサーチャーとして『ザ・ワールド(A)(B)』に参加し、シーズン2ではリサーチャー兼制作として活動している。
涌井智仁(わくいともひと)
1990年、新潟県旧川西町生まれ。美術家。音楽家。大橋可也&ダンサーズには『ザ・ワールド(A)(B)』『バーサよりよろしく』等に音楽として参加。主な展覧会に『旅公演(どりふと)』(東京都美術館、2015)。
吉開菜央(よしがいなお)
ダンサー・映像作家。1987年生まれ。言語的な表現を極限まで削り、視覚、聴覚などの五感に訴える映像作品を実写で制作する。過去作品は『ほったまるびより』『自転車乗りの少女』『みづくろい』など。
皆木正純(みなきまさずみ)
1995年、渡仏。1997-1998年、オーディションを経て、ストラスブール国立劇場などで上演された演劇に出演する。2000年11月帰国。以後、演劇、自主制作映画などに携わる。2005年より、大橋可也&ダンサーズに参加。
後藤海春(ごとうみはる)
1989 年、東京都出身。幼少からモダンダンスを学ぶ。体育大学卒業後、関かおり、岩淵多喜子、大橋可也、川村美紀子、長塚圭史、串田和美等、様々な振付家、演出家の作品に参加。フリーのダンサーとして活動中。
山本晴歌(やまもとはるか)
東京都出身。大橋可也&ダンサーズ作品『OUTFLOWS』(2011年)『グラン・ヴァカンス』(2013 年)『ザ・ワールド(A)』(2014年)に出演。
伊藤雅子(いとうまさこ)
クラシック・バレエを松本道子、モダンダンスを河名健次に師事。日本女子体育大学舞踊学専攻卒、同大学院修了。現在東京大学大学院在籍。2013年に盟友・木場裕紀とともにMACOBA Dance Company を立ち上げ、作品創作、研究発表を国内外で行っている。
秋本ふせん(あきもとふせん)
高校時代に演劇、大学時代にダンスと出会い踊りはじめる。近年はソ・ヒョンソク、中込遊里などの作品に出演。音楽パフォーマンスグループscscs(スクスクス)としても活動。大橋可也&ダンサーズには2014年『ザ・ワールド(A)』より参加。
小松杏里(こまつあんり)
立教大学大学院現代心理学研究科映像身体学専攻修了。大学での勅使川原三郎のワークショップを機に身体への興味を持ち、ダンスを始める。身体の在り方を追究する中、それらの思考を元に映像作品やドローイングの制作を行う。
崎本実弥(さきもとみや)
別名・最中。大阪府出身・俳優。近畿大学演劇・芸能専攻卒業。ルコックシステムを大橋也寸より学ぶ。現在は活動拠点を東京へ移し、「生きる為に闘う人間」を時にシリアスに、時に滑稽に、表現する事を軸に活動中。
益田仲子(ますだなかこ)
(公財)井上バレエ団出身。2005年度橘秋子記念財団奨学生。GYROTONIC®・GYROKINESIS®認定トレーナー。AtelierLeChat主宰。舞踏を有科珠々、大橋可也、コンテンポラリーダンスを櫛田祥光に師事。
伊藤陽太郎(いとうようたろう)
千葉県出身。1981年生まれ。2012年、大橋可也&ダンサーズの作品を初めて観て以来、ずっとファン。大橋可也&ダンサーズの作品がもっと多くの方々に広がっていけば良いな、と思います。
阿部遥(あべはるか)
6歳よりダンスを始め、日本女子体育大学舞踊学専攻卒業後、MOKK、Odorujou等の作品に参加。2011年『驚愕と花びら』への出演をきっかけに以降『OUTFLOWS』『グラン・ヴァカンス』『ライノ』等の大橋可也振付作品に出演。
梅内はるか(うめうちはるか)
2005年渡米、「starpower national talent competition」にて金賞受賞。帰国後、子供ダンス指導をする傍ら"0"dance projectを共同主宰。「dramatic works」レギュラーメンバーとしても活躍。
横山八枝子(よこやまやえこ)
東京都生まれ。大橋可也&ダンサーズ『春の祭典』エキストラ出演をきっかけにダンスに出会う。現在、日本大学芸術学部演劇学科に在学し、自身の作品を創作中。
安藤暁子(あんどうあきこ)
幼少より日本舞踊藤間流を藤間蔦也に師事。日本舞踊を開拓するために、他のダンスを研究。過去、大橋可也作品には過去2回出演。その他、自主制作などもおこなっている。
有泉汐織(ありいずみしおり)
8歳よりクラシックバレエを始める。立教大学現代心理学部映像身体学科所属。
古茂田梨乃(こもだりの)
1991年、北海道生まれ。この春、日本女子体育大学舞踊学専攻卒業。4月に保健体育の先生になる予定だが、どことなく不安を感じている新社会人。
塩田将也(しおだまさや)
1991年7月11日生まれ。日本大学芸術学部演劇学科在籍。劇団ホロロッカ主宰。普段は演劇の劇作や演出を専門としている。2015/5/29(金)~31(日)演劇公演『へそにたまるのは呪い、こころだけがあるわ』を上演予定。
「ザ・ワールド シーズン2」上演にあたって
小野不由美の『屍鬼』に登場する吸血鬼たちは、その願いが叶えられることがないことを知りつつ、自分たち吸血鬼だけの世界を作ろうとした。吸血鬼が生きていくためには、人間を排除することはできないのに。
僕たち人間も、人を必要としていると同時に、人を傷つけ、人に傷付けられる存在である。
この「ザ・ワールド」も、観客となる人々、協力者となる人々、出演者たちをはじめ、多くの人との関わりによって成立している。その関係はいっときのものかも知れないけれども。
あやうくはかない関係を築き上げること、それは「世界」を構築していくことだろう。
僕たちは、このプロジェクトを通じて「世界」を構築し続けていく。
大橋可也